新年早々日本は大変だが、とりあえず書こうと思ったのは、飛行機事故の話である。ただ、海保の方がなくなっているので、事故自体の話はしない。
気になったのは、ペットの話である。旅客機の貨物室に入れられていたペット2匹が取り残されて死んでしまい、そのことに対してペット好きの人やそこそこ著名な人たちが「貨物室じゃなく一緒に客室に乗せられるようにしてください」などと言っているらしい。ごく稀にしか起こらない事故に対して、極端なことを言う人たちだなと思う。
確かマジシャンだったと思うが、「ホームレスよりもネコの命のほうが大切だ」などという人もいるから、そんな声が出るのも当然なんだろうな。「ペットは家族」「夫よりもペットの死のほうがこたえる」などという声もよく聞く。
だが、あなた。『家族』などと言いながら、よくもまあ貨物室に入れて平気で自分は客室に座っていられるものだと、私は以前から不思議に思っていた。
私だったら、一緒に貨物室に入ってペットを守るね。当たり前じゃないですか。もしくは、車の移動にするかだ。そもそも映画などでは、旅客機の貨物室にはテロリストや密航者が隠れているではないか。以前、悪い宇宙人が潜んでいる映画も見たことがあるぞ。貨物室は、危険極まりない場所なのである。
そんな場所にのほほんと入れておいて、「死んでしまった」と嘆く資格などありはしない。ペットを飼うという覚悟が足りない。人間様だと思っていい気になっているのではないか。
もう一つ言っておくと、私は隣の席にネコやら犬がいるのは絶対にイヤである。アレルギーではないが、私は、彼らを見ていると、人間の傲慢さを突きつけられているような気がして陰陰滅滅、意気消沈、体力減退に陥るのである。
もちろん私は、ペットなど飼ったことはない。自分は、そんなにえらい生き物ではないと考えている。特にコリーやシェパードなど、私よりも確実に品性も知性も高そうなのである。だから、動物自体は好きだが、動物園やペットショップは苦手である。「友達だ家族だ」などと偽善面する人間なんかに閉じ込められて、極めてお気の毒に感じる。
だというのに回りからは、「ペットを飼わないの？」とよく訊かれるのだ。どうやら犬好きだと思われているようだ。「ブリティッシュ・ショートヘアーなんか似合いそう」と言われたこともあるので、ネコ好きにも見えるのかも知れない。
「いや、ペットを飼えるほど傲慢な人間ではないので」などと答えて、いつも怪訝な顔をされるのである。
