捏造新聞

ただし朝日新聞ではない。

ママチャリで信号無視の女性、たぶん一生後悔する。

ママチャリの女性が子供を乗せたまま車道の右側を走り、信号無視をして、あげくに対向していた車に向かって暴言を吐いたり運転者をスマホで撮影するという暴挙に出たとして話題になっていた。

私は、こういう頭の悪い人が一番嫌いだから動画を見る気にもなれないのだが、想像するだけで不快になる。当然のことながら随分と炎上したらしい。名前や住所、夫の職場や保育園の名前まで晒されたそうだ。

まあ、仕方がないね。SNSがなかった時代でも、人殺しが出た家には誹謗中傷の手紙が届いたり家に落書きされたり電話がかかってきたりして大変だったそうだ。そういう嫌がらせをする人間は、いつの時代にも存在するのである。

一部にこれを「社会的制裁」と言っている人がいるようだが、これは制裁じゃなく単なる嫌がらせである。制裁というと正義の一環に思えるが、これが正義の訳がない。イジメと同類である。

もちろん私は、「そんなことはやめたまえ」と言うつもりはない。自転車に乗る際にはヘルメットをかぶり、車道の左側を走り、車両用の停止線できちんと止まる私からすれば、こんなママチャリの女性など袋だたきにされてもまったく問題はない。いや、二度と自転車に乗れないように(以下略)。

早い話が、このママチャリの女性は「いけにえ」なのだ。世の中のむかつく連中の代表者なのだ。それを袋だたきにして、みんなスッキリなのである。地方のニュースにもならないような出来事だが、だからこそ「いけにえ」としての価値は上がるのだ。

いやあ、こわいこわい。今は、防犯カメラや車載カメラ、そしてスマホのカメラがある時代である。いつ自分がこのママチャリの女性のような立場になるかわからないのだ。

最近は「ああ、おれが一平ちゃんじゃなくてよかった」と胸をなで下ろしていたのだが、今は「ああ、おれがこのママチャリの女性じゃなくてよかった」と胸をなで下ろしている。

この事件が映画化されても、私は決して見ないのだ。痴漢冤罪の映画と同様、怖すぎるのである。Amazon Prime Videoで「あの『ママチャリの女』無料で見れまっせ」とすすめられても、絶対に見ないのだ。

日常に潜む非常に身近でリアルな恐怖なのだ。自転車に乗るときは、いっそう注意し、車載カメラがあることを決して忘れないようにしよう、と私は心に誓ったのである。